不動産売却相談室

Vol.17「住宅ローンの返済中でも家は売却できますか?」

Vol.17「住宅ローン返済中でも家は売れる?売却方法や注意点を解説」

「住宅ローンの返済中だから…」と不動産売却を断念される方もいますが、住宅ローンが残っているからといって売却できない訳ではありません。

実際、転勤や離婚、住み替え、資産整理などをきっかけに、住宅ローンが残っている家を売るケースは多々あります。

そこで今回は、住宅ローンが残っている家を売る方法や注意点をご紹介します。要所をチェックして、不動産売却をスムーズに進めましょう。

住宅ローンが残っている不動産を売却する際の3ステップ

ローンの支払いが完了できていない家でも不動産売却は可能です。まずは、現状を把握することから始めましょう。

Step1:住宅ローンの残債額をチェック

住宅ローンが残っている不動産を売ることは可能ですが、そのためには住宅ローンの返済を完了しなければいけません。

住宅ローンが残っている状態では「抵当権」と呼ばれる金融機関の権利が付いたままになっているため、売却はできません。そのため、住宅ローンを完済し、抵当権を抹消することが売却の前提条件となります。

残債額の確認は、時間をかけることなく行えます。

①インターネットバンキングで照会する
②金融機関から毎年送付される残高証明書を確認する
③住宅ローン契約時の返済予定表を見る

①〜③の方法が難しい場合は、金融機関に直接問い合わせることもできます。問い合わせの場合は時間を要するので、スケジュールに余裕を持っておけると安心です。

Step2:家の価値を調べる

「いくらで売却できそうか」「売却額で住宅ローンを完済できるか」を知ることで、売却方法が決まります。

現状で不動産がいくらで売れるのか、家の価値(売却額)を確認しましょう。

不動産の売り出し価格は不動産会社の査定をもとに算出します。不動産会社の査定では「3カ月程度で売却できるであろう」と思われる予想価格を算出してくれますので、参考にしてください。

Step3:家の売却金額でローンを返済できるか確認する

住宅ローンの残債額と想定される家の売却金額を照らし合わせ、その差額を確認します。その結果から、不動産売却の方法を検討していきましょう。

不動産売却の「アンダーローン」と「オーバーローン」を詳しく解説

住宅ローンが残った家を売却する時は「売却金額でローンを一括完済できるかどうか」が大きな分かれ目となります。

「アンダーローン」と「オーバーローン」のどちらに該当するのかを必ず確認しましょう。

「オーバーローン」の家を売る方法

「オーバーローン」とは、不動産の売却額がローン残債を下回っている状態です。この場合、家を売る方法は主に3つあります。

①売却額で足りない金額を手持ち資金で補填する

貯金などで、売却金額とローン残高の差額を補って一括返済すれば、オーバーローンであっても売却にはなんの問題も生じません。

自己資金が足りない場合は、親や知人から借りる、金融機関から無担保ローンでお金を借りるなど、経済的なリスクを覚悟しなくてはなりません。

②住み替えローンを利用する

家の売却後に新しい家を購入する予定がある場合、住み替えローンを利用することでローン返済中でも家を売ることができます。

住み替えローンは、今の家のローンと新しい家のローンを一本化して融資するサービスです。借入額が大きくなるため、通常の住宅ローンに比べて審査が厳しくなります。

③任意売却をする

任意売却は、住宅ローンの返済ができなくなった際に、金融機関の合意を得て不動産を売却する方法です。

本来住宅ローンを返済しなければ、差し押さえ後に競売にかけられてしまいますが、金融機関の承諾が得られると特例的に任意売却が認められます。

任意売却が認められれば、差し押さえられる前に、通常の代金に近い価格で売却することができます。

ただし、覚えておきたいのは、金融機関の承諾なしに売却金額やその他条件を決定できないということです。

任意売却をしても、ほとんどの場合ローンは残ります。返済義務がなくなるわけではないので、家を売ったあとに「ローンだけが残った」という状態になる可能性が非常に高いです。

とはいえ、任意売却が認められれば、「住宅ローンが払えず競売で買い叩かれる」といった最悪の事態は回避できます。

任意売却の条件に該当するかどうか、早めに金融機関や不動産会社に相談しましょう。

「アンダーローン」の家を売る方法

「アンダーローン」とは、家の売却価格がローンの残高を上回る状態のこと。アンダーローンの場合は、売却金額で住宅ローンを問題なく完済することができます。

不動産の売却は、原則として住宅ローンの完済が必要なので、引き渡し日に買手から売却金額を受領すると同時に、住宅ローンの完済手続きを行います。

アンダーローンの家を売る方法としては2つ挙げられます。

①家を売却してから新居を探す「売り先行」
②新居を買ってから家を売却する「買い先行」

住み替えの段取りを考える際、「売却」と「購入」どちらを先に進めるか決めておくと計画が立てやすくなります。

「リースバック」で住み続けるという選択肢も

リースバック(セールスアンドリースバック)は、家を売却すると同時に、売却した家を賃借にすることで、家賃を支払いながら住み続けられる方法です。

買い手(リースバック事業者)に家賃を支払うことで引き続き家に住み続けられるというメリットはありますが、売却してもローン残債が残ってしまう場合、家賃と残債の返済を同時に負担しなければいけません。

無理にリースバックを選択するより、これまでよりも家賃の安い賃貸物件へ住み替えるほうが金銭的な負担は軽くなるケースもあります。

なお、リースバックでは特約によって将来的に買い戻しが可能となるケースもあるので、不動産会社と具体的な希望を相談してみてください。

住宅ローンが残っている家を売却する際の注意点

売却活動を行う際に気をつけたい注意点について解説します。

「予想していたよりも手元に残る金額が少ない!」という事態に陥らないよう、チェックしてみてください。

通常の不動産売却と同じく諸費用がかかる

ローン返済中の家も通常の不動産売却と同じように、さまざまな諸費用がかかります。

家を売った代金から売却にかかる諸費用を差し引いた金額が手元に残ります。

不動産売却には、主に次のような諸費用がかかります。

【不動産売却にかかる主な諸費用】
・仲介手数料:(売却価格×3%+6万円)+消費税
・印紙代:約5,000円~3万円
・登記費用:約4万円
※売却価格や状況によって変動します

この他に、必要に応じて廃棄物処分費や敷地の測量費、ハウスクリーニング費などがかかり、諸費用の合計は売却価格の5%前後になると予測されます。

さらに、家を買い替える場合は、売却と購入のそれぞれに諸費用が必要になるもの。見落としがちな諸費用も、資金計画の中に組み込んで検討しましょう。

離婚の際は住宅ローンも財産分与の対象に入る

売却の理由が離婚の場合、残っている住宅ローンも財産分与の対象になることを忘れないでください。

アンダーローンの場合は、売却益を2つに分ければいいので精算は比較的分かりやすくなります。しかし、オーバーローンの場合は、どちらがどういった割合で負担するか、取り決めが必要になります。

離婚をきっかけとする住宅ローン返済中の売却は、財産分与が絡んで複雑になりがちです。しっかり話し合って、早めに金融機関に相談しましょう。

査定額が高過ぎる不動産会社に注意

不動産会社の中には、査定額を高額にすることで仲介依頼を受けようとする業者も存在します。

不動産会社の査定額が相場よりも高い場合は、どうしてその価格なのかを確認してから依頼するようにしましょう。

査定額が高額な不動産会社が必ずしも信頼できる会社とは言い切れません。

新潟で不動産売却を考えるなら越後ホームズに相談を

今回は住宅ローンが残っている不動産の売却についてご紹介しました。住宅ローンが残っている状態でも、不動産を売却する方はたくさんいます。まずは、現状を把握することから始めましょう。

新潟で不動産売却を検討している方は、越後ホームズまでどうぞお気軽にご相談ください。分からない点や疑問に思う点に不動産の専門家がわかりやすくお答えします。

▼不動産のご相談はこちら
https://www.echigohomes.com/assessment/