不動産売却相談室

Vol.15「不動産売却時の税金を節約できる特別控除・特例について教えてください」

Vol.15「不動産売却時の税金を節約できる特別控除・特例について教えてください」

不動産売却で利益を得た場合には、多額の税金が発生します。しかし、不動産の種類や条件によっては、負担を軽減できる特例や控除が適用されるケースも。

こちらの記事では、年間600件以上の不動産売却に関するご相談を解決に導いている越後ホームズが、不動産を売却する際に知っておきたい特例や特別控除について詳しくご紹介します。

不動産売却にかかる「譲渡所得税」とは?

不動産売却では、売って得た利益(=譲渡所得)に対して税金が発生します。

肝心なのは、売却額すべてが課税対象になるわけではなく、不動産を取得した際にかかった費用や売却にかかった経費を差し引いた金額が対象であるということ。そのため、領収書などの書類は日頃から大切に保管しておくようにしましょう。

譲渡所得税に含まれる3つの税金

「譲渡所得税」とは、不動産売却で得た利益にかかる税金の総称のことで、内訳は次の3つです。

▼売却で利益が発生した時にかかる税金

  1. 所得税
  2. 住民税
  3. 復興特別所得税※2037年まで所得税と合わせて徴収されます。

譲渡所得と譲渡所得税の計算方法

繰り返しになりますが、仮にお持ちの不動産が3,000万円で売れたとしても、3,000万円すべてにそのまま税金がかかるわけではありません。譲渡所得は譲渡所得=売却金額-(取得費+売却費用)】の計算式で求めることができます。

売却金額とは不動産売却時に得た代金のことで、譲渡所得は、売却金額から売却した不動産を購入した時にかかった各費用を差し引いた金額になります。 

つまり、売却金額よりも取得費+売却費用が上回った場合は、譲渡所得は発生せず、課税もありません

続いて、譲渡所得税の計算式も見ていきましょう。譲渡所得税は売却した不動産の所有期間によって税率が変わるのがポイントです。

所有期間

所得の種類

所得税

住民税

合計

5年以下

短期譲渡所得

30.63%

9%

39.63%

5年超

長期譲渡所得

15.315%

5%

20.315%

※復興特別所得税の税率は一律2.15%で計算されます。

不動産を売却した年の1月1日時点で、その土地や建物の所有期間が5年以上の場合は長期譲渡所得税率、5年未満の場合は短期譲渡所得税率で計算します。

そのため、たとえば取得から4年ほどの不動産の場合で、急いで売却する必要がなければ「長期譲渡所得」として売却した方が税率を半分近くに抑えられ、税金負担が軽くなるということです。

さらに、所有期間が10年超のマイホーム売却では、軽減税率の特例が適用されるのでこちらも合わせてチェックしましょう。

譲渡所得税を抑えられる特別控除・特例とは?

不動産売却をした際の利益に対して課税される譲渡所得税ですが、要件を満たしていれば特別控除や特例を活用することで負担を軽減できます。

居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例

「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例(以下、3,000万円特別控除)」とは、譲渡所得税の特別控除の中でも代表的な特例です。不動産を売却した際に出た利益(譲渡所得)に対し、3,000万円までは課税対象から除外されます。

お持ちの不動産が3,000万円特別控除を受けられるかどうかは、国税庁が提供するチェックシートから簡単に確認ができるので利用してみてください。

▼参考:国税庁「相続した空き家を売却した場合の特例チェックシート」
https://www.nta.go.jp/about/organization/takamatsu/topics/joto_zoyo_r04/pdf/04.pdf

10年超所有軽減税率の特例

「10年超所有軽減税率の特例」は、不動産の所有期間が10年を超えていれば、譲渡所得にかかる税率が通常の長期譲渡所得税率よりも下がるという特例です。

適用されると、課税譲渡所得6,000万円までの税金を14.21%(所得税10.21%、住民税4%)とすることができます。しかも、3,000万円特別控除と併用することも可能です。

特定の居住用財産の買換えの特例

「特定の居住用財産の買換えの特例」は、自宅を買い換えた際に適用できる特例です。

「特定居住用財産」とは、住まいとして利用する不動産のうち、一定の条件を満たしている「自宅」のこと。売却する不動産の所有期間が売却した年の1月1日時点で10年超、居住期間が通算10年以上であることが条件となります。

こちらの特例は、売却した家の金額より、新たに購入した家の金額が大きい場合に適用され、譲渡所得の課税が将来に繰り延べされます。上手く使えれば大きなメリットとなりますが、あくまでも次回に課税が繰り延べられるだけで免税されるものではないので、注意しましょう。

とはいえ、住み替え時には引っ越し費用や家具の購入などで出費がかさみがちなので、嬉しい制度といえるのではないでしょうか。

特別控除・特例を受けるための要件

ここまで紹介してきた特例を活用するためには、それぞれに定められている適用条件に当てはまっていなければいけません。

  • 自分が住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地や借地権を売ること
  • 売手と買手が、親子や夫婦など特別な関係でないこと

など共通する条件もあれば、制度ごとに異なる部分もあるため、不動産売却のプロに尋ねてみるのがよいでしょう。

また、特別控除・特例の申請は、確定申告時に行います。確定申告の期間は譲渡した年の翌年2月16日から3月15日の間確定申告書のほかに各種証明書類を提出して申請しましょう。

必要な書類は個々の条件に応じて変わるため、慌てて準備しなくてもいいよう、余裕を持って該当する特例を確認しておくことが大切です。

税金還付を受けられる特例もあります

自宅の売却によって損をした場合にも、税金還付を受けられる特例があります。ここからは、対象となる2つの特例についてご説明します。

居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

「居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」は、住宅ローンが残っていない状況で家の買い換えをする場合に受けられる特例。家を売り、損失(赤字)が出てしまった場合に、翌年以降の所得から控除される制度です。

例として、年間の給料所得が500万円のAさんが、3,000万で購入したマイホームを2,000万で売却したとしましょう

不動産売却は1,000万の赤字となり、この赤字を「譲渡損失」といいます。1,000万円の譲渡損失を、500万円の給与所得と差し引いて相殺することを「通算損益」といい、初年度で相殺できなかった残りの500万円を、次の年に繰り越して相殺することを「繰越控除」といいます。

こちらの特例は、住宅ローン控除とも併用できるため、さらに負担軽減につながります。

特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除

「居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」と同じように、売却時に損失が発生した場合に利用できる特例として「特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」があります。

基本的な内容は前者と同じなのですが、大きな違いは「売却する不動産に一定額以上の住宅ローン残高があること」と「買換え資産の購入」が要件になっていないことです。

不動産の売却で損失(譲渡損失)が出た場合、一定の要件を満たしていれば確定申告をすることで譲渡損失をその年の他の所得から控除(損益通算)することができます。

また、もしその年に損益通算しても控除しきれなければ、翌年以後3年内に繰越して控除(繰越控除)することも可能です。

税金還付を受けられる2つの特例についても、申請は確定申告のタイミングとなりますので、必要書類や要件を事前にしっかりと確認して計画的に準備を進めましょう。

新潟で不動産売却を考えるなら越後ホームズに相談を

今回は、不動産売却時に発生する譲渡所得税を節約できる特別控除・特例についてご紹介しました。

この記事でご紹介した特別控除や特例は、代表的なものとなります。この他にも、譲渡所得税の節税につながる特例はまだまだありますので、大きな金額のやり取りとなる不動産売却は、信頼できるプロフェッショナルと一緒に臨むことが成功への近道といえるでしょう。

私たち越後ホームズでは、お客様のご希望に合った不相談売却・買取を行えるよう、さまざまなニーズにお応えしています。新潟県で土地の活用方法に悩んでいる方や不動産売却を検討している方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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