不動産売却相談室

Vol.23「不動産売却後の確定申告は必ず必要?手順や必要書類についても知りたいです」

不動産売却後の確定申告は必ず必要?手順や必要書類についても知りたいです

不動産売却をすると、翌年に確定申告を行わなければいけない場合があります。確定申告になじみのない会社員や公務員の方には「何から始めたらいいのかわからない」という方も多いでしょう。

今回は、不動産売却後に確定申告が必要となる方と不要になる方の違い、確定申告の基礎知識についてもご紹介します。

不動産売却後の確定申告は不要な場合もある

不動産売却によって得た利益(譲渡所得)は、所得税の課税対象。税金を納めるためには、法定申告期限内に確定申告を行わなければいけません。期限は、売却した年の翌年2月16日から3月15日までです。

しかし、すべての不動産売却において確定申告が必要となるわけではありません。確定申告が必要になる場合と不要になる場合の違いを解説します。

確定申告が必要なケース

不動産売却後に確定申告が必要となる方は、主に2つのケースになります。

不動産を売却して利益が出た場合

不動産売却によって譲渡所得が出た場合は、必ず確定申告を行います。譲渡所得は、売却代金から取得費や諸経費を差し引いた後に残った利益のこと。譲渡所得の金額に応じて譲渡所得税が決まるため、課税額を計算し、確定申告を行い、期限までに税金を納めなければいけません。

税金控除や特例を利用したい場合

不動産売却では、以下のような税金控除や特例を利用したい場合は確定申告が必要になります。

  • マイホームを売ったときの特例(3,000万円特別控除)
  • マイホームを売ったときの軽減税率の特例(所有期間が10年以上の場合の軽減税率の特例)
  • 先行取得資産に係る買換えの特例

確定申告が不要なケース

不動産売却で譲渡所得が出た場合は翌年の確定申告が必要ですが、譲渡損失(譲渡所得がマイナスになること)が発生した場合、確定申告は不要となります。

譲渡損失が生じた場合、下記のような損益通算・繰越控除の特例の利用を検討される方も多いはずです。

  • 居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
  • 居住用財産に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

特例を利用した場合は、譲渡損失が発生していても確定申告が必要になるのでご注意ください。利用する特例によって、確定申告時に必要となる書類も変わります。

確定申告をしないと、よけいな支払いが増えてしまう

確定申告をしなければいけない方が申告を怠ってしまうと、罰金や余分な税金の支払いを求められるため、「不動産売却で譲渡所得(譲渡益)が発生した場合」「控除を適用したい場合」は、必ず確定申告を行いましょう。

確定申告の期間を過ぎてしまったり、納税期間を過ぎたりしてしまうと、超過した日数に応じて延滞税が請求されます。
延滞税は、納税期限から2カ月以内の場合は7.3%、2カ月を超えると14.6%と、かなりの高税率です。

納税しないだけでなく、確定申告さえしなかった場合は、「無申告加算税」も追加されてしまうことになります。無申告加算税は、確定申告期限から2カ月以上遅れた場合に課税される税金のこと。よけいな納税を防ぐためにも、確定申請が必要となる方は必ず期限内に完了させましょう。

不動産売却後の確定申告の進め方

不動産売却後の確定申告はどのような手順で行われるのか。必要書類や経費計上できる内容も合わせてチェックしていきます。

不動産売却後の確定申告の手順

不動産売却後の確定申告には、大きく分けて4つの手順があります。

①利用する特例の決定
不動産売却時に利用できる特例にはいくつか種類があり、どの特例の適用を受けるかによって税金を節約できるかどうかが決まります。

②必要書類の準備
特例が決まったら必要書類を準備します。確定申告に必要な書類だけでなく、特例の適用を受けるために必要な書類も同時進行で準備を進めましょう。

③確定申告書の作成
必要書類をそろえたら、確定申告書の作成です。インターネット環境が整っている場合、e-Tax(国税電子申告・納税システム)で自宅から確定申告書を作成できます。インターネット環境が整っていない場合は、税務署や最寄りの役場で用紙を受け取り、記入をすることも可能です。

書類には、確定申告書第一表・第二表と譲渡所得の収支内訳書、確定申告書第三表(分離課税用)の3種類があります。自力での作成に不安がある方は、確定申告期間中に設けられる申告会場で、スタッフの説明を受けながら申告用紙の作成を進められます。詳しくはお住まいの地域の税務署に情報を確認してみてください。

④税務署へ提出
3つの方法で提出が可能です。

  • 税務署に持参する
  • 税務署に郵送する
  • e-Taxで送付する

e-Taxはオンライン上で提出を済ませることができ、申告期間中は24時間提出が可能です。譲渡損失が出た場合は、送付や窓口提出よりも3週間ほど早く税金の還付を受けられるメリットもあるので活用してみてください。e-Taxからの確定申告には、事前に電子証明書を取得し、電子申告等開始届出書を税務署に提出しておくこともお忘れなく。

確定申告の必要書類

不動産売却後の確定申告には、以下10点が必要になります。

  1. 確定申告書第一表・第二表
  2. 確定申告書第三表(分離課税用)
  3. 譲渡所得の内訳書
  4. 不動産購入時の売買契約書のコピー
  5. 不動産の取得費用が分かる領収書のコピー
  6. 不動産売却時の売買契約書のコピー
  7. 不動産の譲渡費用が分かる領収書のコピー
  8. 登記事項証明書
  9. 本人確認書類
  10. 源泉徴収票

利用する特例によって提出書類が異なるため、詳しくは不動産会社に相談してみましょう。

不動産売却後の確定申告で経費計上できる費用

不動産売却時に発生した経費を正確に計上できれば、税金を抑えることができます。不動産売却における経費(譲渡費用)や取得費として認められる費用についてもチェックしていきましょう。

【譲渡費用として計上が認められる費用】

  • 不動産仲介会社に支払った仲介手数料
  • 土地家屋調査士へ支払った測量費
  • 売却時の売買契約書に貼付した印紙税
  • 売却に伴い借主の立ち退きが必要になった場合、支払った立ち退き料
  • 建物の解体費用、建物の損失額
  • 売買契約で支払った違約金
  • 借地権を売却する際、地主の承諾を得るために支払った名義書換料

【不動産の取得費として計上できる費用】

  • 売却した不動産の購入代金や建築代金
  • 不動産購入時に支払った手数料
  • 売却した不動産の設備費や改良費
  • 借主に支払った立ち退き料
  • 土地の造成費用
  • 土地の測量費
  • 建物の購入代金や取り壊し費用
  • 不動産を購入するためにお金を借りた場合の利子

上記費用のうち、事業所得で経費として計上しているものについては除外しています。

【経費計上が認められない費用】
下記のような費用は、不動産売却の経費としては認められません。

  • 抵当権抹消登記費用
  • 相続登記費用
  • つなぎローンの金利
  • つなぎローンの事務手数料
  • 建物の修繕費用、清掃代
  • 固定資産税
  • 税理士への報酬
  • 引越し費用
  • 管理費、修繕積立金など

確定申告はプロに依頼することもできる

「不動産売却後の確定申告に不安がある」「作業時間がない」という場合は、税理士や会計士に任せるという選択肢があります。
自分で確定申告を行った場合とプロに任せた場合のメリットはどんなところにあるのでしょうか?

確定申告を自分で行うメリット

不動産の売却価格や取得費用、経費など、多くの情報を正確に把握したうえで譲渡所得の金額や税額を計算しなければいけません。税額計算や申告書の作成に慣れていない方にとって、確定申告を自力で行うことは難解な作業です。

しかし、自分で確定申告を完了できれば、税理士や会計士に依頼する費用が掛からず、よりたくさんの売却益を手元に残せます。税務署や市区町村役場、確定申告相談会で申告書の書き方を確認することもできるため活用してみましょう。

確定申告を税理士や会計士に依頼するメリット

税理士や公認会計士などに確定申告を任せられれば、書類のミスを防ぎ、時間を有効活用することができます。譲渡所得の確定申告を依頼する際の費用は、数万円〜30万円ほどが目安。状況に合わせてプロに依頼するのか、自分で行うのかを判断しましょう。

税理士や会計士に確定申告を依頼する場合は、事前に見積もりを取り寄せて比較をしたうえで依頼先を選ぶことも重要です。

新潟で不動産売却を考えるなら越後ホームズに相談を

今回は、不動産売却後の確定申告についてご紹介しました。確定申告には期限があり、申告に必要な書類を用意するためにも時間が掛かります。前もって準備を進めながら、計画的に確定申告を行いましょう。

越後ホームズでは、豊富な実績と知識をもとに、新潟エリアに特化した不動産のスペシャリストの視点から、お客様のお悩みを解決に導きます。土地の活用方法に悩んでいる方や不動産売却を検討している方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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