不動産売却相談室

Vol.21「空き家の売却手順・売却のポイントを教えてください」

Vol.21「空き家の売却手順・売却のポイントを教えてください」

相続したものの、上手く活用できていない空き家。空き家を放置していると維持管理費がかかり、知らず知らずのうちに損をしてしまうことも。

今回は、「空き家はどうやって売却すればいいのか」「どのような費用がかかるのか」など、新潟での空き家売却について悩まれている方へ、分かりやすく売却の流れや売却のポイントをご説明します。

空き家の売却方法は3つ

所有しているだけで固定資産税などの管理維持費が発生する空き家。売却方法は3つあります。

地震や火災といった災害によって周囲で暮らす人々や地域にまで迷惑を掛けてしまう可能性があるため、手入れをしないまま放置することはとても危険です。活用する予定がない空き家は売却して活用していきましょう。

戸建てとして売却

空き家のままならすぐに売却活動を始められます。解体費用の負担がありませんし、建物があることで更地にするよりも固定資産税を抑えられるというメリットもあります。戸建てとして売却できれば、売却価格は他の選択肢よりも高くなるでしょう。

最近ではリフォームやリノベーションを希望する若い夫婦も増えているため、築年数がある程度経過した空き家でも需要があります。「うちは古いから…」と諦めず、まずは空き家の状態で売却を検討してみてください。

ただし、交通の便が悪い、築年数が古いなど、不動産の条件によっては売却が難航することも考えられます。不動産のあるエリアの需要を見極めて売却方法を検討しましょう。

更地もしくは古家付き土地として売却

土地取引を希望するなら、更地と古家付き土地の2つから選択できます。更地での売却は解体費用が発生しますが、建物を残した状態で売却できる古家付き土地の場合は解体費用がかかりません。

不動産取引では、引き渡し後一定期間内に建物の不具合が発生した場合、売主が費用を負担しなければいけない「不動産売主の契約不適合責任」がありますが、土地取引であれば、建物の不具合は責任の範囲外となるため、責任を問われる不安も解消されます。

ただし、更地にしてしまうと建物がある状態よりも固定資産税が高くなってしまうデメリットがあることも忘れずに。自治体によっては「空き家解体補助金」が受けられる場合があるので、更地を検討している方はお住まいの地域の役場に確認してみましょう。

売り出さずに不動産会社に買い取ってもらう

不動産仲介でなかなか売れない場合、不動産会社や買取業者に直接買取してもらう方法もあります。買取なら、買主を探す必要がなく、スピーディーに空き家を現金化できます。

即時現金化できる安心感はありますが、どんな不動産でも必ず買い取ってもらえる訳ではないこと、相場は不動産市場価格の約5〜8割に減額する可能性があることも押さえておきましょう。

国土交通省の「土地総合情報システム」では、各地域の相場が調べられるので、お持ちの空き家がどのくらいで買取してもらえそうかチェックしてみてください。

【参考】国土交通省「土地総合情報システム」
https://www.land.mlit.go.jp/webland/

空き家売却の基本的な手順と費用

ここでは、空き家売却の基本となる手順と主にかかる費用をご紹介します。作業の流れや必要な費用項目が見えてくると、具体的なタスクが見えてきます。参考にしながら、空き家売却の計画を立てていきましょう。

空き家売却の基本的な流れ

空き家売却は基本的に下記の8ステップで進められます。

①現状把握

不動産会社へ相談・依頼をする前に、自分で情報収集をして相場を調べておくことをおすすめします。物件の状態、権利関係も確認しておけると安心です。

②査定依頼

不動産会社に物件を調査してもらい、見積もりを出してもらいます。査定金額はもちろん、不動産会社との相性を見ながらどこに依頼するか検討しましょう。1社だけでなく複数に査定依頼をすることで、どこに依頼するべきか柔軟な判断ができます。

③媒介契約

売却を依頼する不動産会社が決まったら、不動産会社と媒介契約を締結します。媒介契約には「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」の3種類があり、どの媒介契約を結ぶかは売主が決められます。それぞれの媒介契約は内容が違うので、自分に合った内容で契約しましょう。

「一般媒介」
複数の不動産会社に依頼できます。そのため、同時に何社とも媒介契約を結ぶことが可能です。さらに、自分で買主を探してもいいというメリットも。3つの媒介契約の中で、最も自由度の高い契約形態です。

「専任媒介」
一般媒介契約とは違い、契約を結べる不動産会社は1社のみ。信頼できる1社とのみ契約を結ぶ専任媒介は、物件売却のための積極的な販売活動が期待できます。状況把握がしやすく、一般媒介契約よりも手間が少ないため対応が楽に感じられそうです。

「専属専任媒介」
専任媒介と同様に不動産会社は1社とのみ媒介契約を結びますが、自分で買主を探す直接取引が認められていません。3つの媒介契約の中で最も制約のある内容ですが、不動産会社の手厚いサポートが受けられ、比較的に早く売れやすい特徴があります。

④販売活動

売主の希望価格と、不動産会社の査定価格を踏まえて「売り出し価格」を決めて、いよいよ売り出しを開始します。販売活動は主に媒介契約を結んだ不動産会社が行うため、売主は内覧の準備を進めましょう。

⑤条件交渉

内覧後、購入希望者が現れたら契約に向けての交渉を始めます。「古家付き土地」として売り出した場合には、引渡し前に古家を撤去するか、売主と買主のどちらが解体費用を負担するかが焦点になるでしょう。購入希望者と合意できる条件を探りながら、成約を目指します。

⑥売買契約

購入希望者と折り合いが付いたら、売主と買主との間で売買契約を締結します。売買契約書は事前に不動産会社から作成案を受け取って、内容をしっかりとチェックしてから進めましょう。

⑦決済・引渡し

買主が売主に代金を支払い、売主が物件を買主に引き渡します。必要となる抵当権や所有権の登記は、司法書士が売主・買主の双方を代理して申請してくれるので安心してください。

この時点で重要なポイントは、物件を引き渡すために必要な書類を正確に準備すること。書類の抜け漏れによって売買契約で約束した引渡し日に引渡しが完了できないと、大きな問題に発展してしまう恐れがあります。

また、不動産会社と締結した媒介契約の取引も、決済・引渡しの完了とともに完了となります。不動産会社への仲介手数料の残金の支払いも、決済・引渡しの当日に完了しましょう。

⑧確定申告

不動産売却によって譲渡益が出た場合や、特例や控除の適用を受けたい場合は、空き家を売却した翌年の2月16日〜3月15日に確定申告を行う必要があります。

空き家を相続した時にかかる税金&その他の費用

相続した空き家を売却する時、主に4つの税金が発生します。

  • 印紙税
  • 登録免許税
  • 譲渡所得税
  • 住民税

税金以外にも、必要経費として仲介手数料(売却代金×3%+6万円)や測量費用(およそ30万〜50万円)などが必要となるでしょう。空き家売却ではどのような費用がかかるのか把握しておき、売却価格のうちいくらが手元に残るのか計算しておくことが大切です。

空き家を高く売るポイント

人生でそう何度も経験するものではない空き家売却。空き家を高く売りたい時に押さえておくべきポイントをご紹介します。

自己判断で売却方法を決めない

空き家の築年数が古いと「リフォームしたほうが高く売れる」「更地にしないと買い手が見つからない」と考えてしまう方が多いものです。しかし、リフォームをした、更地にしたからといって、必ず売却できるとは限りませんし、売却後に費用を回収できるかどうか分かりません。

リフォームや建物の撤去が必要かどうかは、市場ニーズによって慎重な判断が求められます。まずは不動産会社に相談をしてどのような売却方法が良いかを判断しましょう。

利益が出た場合は特例を活用する

空き家を売却して利益が出た場合は譲渡所得税の課税対象となりますが、納税額を抑えるための特例が用意されているので活用しましょう。特例は主に2つあります。

控除・特例 内容 主な要件
3000万円特別控除の特例(マイホームを売ったときの特例) 空き家を売った時の譲渡所得に対する税金を3000万円まで控除する ・売却した空き家がマイホーム(居住用財産)であったこと
・以前に住んでいた家屋や敷地等の場合には、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
・売り手と買い手が、親子や夫婦など特別な関係でないこと など
相続空き家の3000万円特別控除の特例 相続した空き家の売却に際し3000万円まで控除される ・昭和56年5月31日以前に建築されたこと
・譲渡の時において一定の耐震基準を満たすものであること。
・相続の開始の直前において被相続人以外に居住していた人がいなかったこと(一人暮らしであったこと) など

【参考】
国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3302.htm

国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm

更地にするなら1月1日以降

空き家を更地にする場合は、年末ではなく年始に解体作業を行うことをおすすめします。なぜなら、固定資産税は毎年1月1日時点の所有者に支払い義務が課されるためです。

建物が建っている土地の固定資産税は6分の1に軽減される措置が取られていますが、年末に建物を撤去してしまうと、翌年の固定資産税が跳ね上がってしまいます。更地にして売却するのなら、1月1日以降に解体・撤去し、その年の12月31日までに売却するのが賢い方法です。

新潟で不動産売却を考えるなら越後ホームズに相談を

今回は、空き家の売却を検討している方に向けて、空き家売却の方法、手順と費用、そして空き家を高く売るためのポイントをご紹介しました。不動産売却では不動産会社選びがとても重要になります。不明点を分かりやすく説明してくれる、最後まで安心して任せられる不動産会社と契約して空き家売却を成功させましょう。

越後ホームズでは、豊富な実績と知識をもとに新潟市を中心とした新潟県内全域の不動産を取り扱っています。新潟エリアに特化した不動産のスペシャリストの視点から、お客様のお悩みを解決に導きます。

土地の活用方法に悩んでいる方や不動産売却を検討している方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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