不動産売却相談室

Vol.13「2023年の不動産市場はどうなりますか?
不動産売却相場を教えてください」

Vol.12「2023年の不動産市場はどうなりますか?不動産売却相場を教えてください」

不動産の購入・売却を考えている時、気になるのが価格を左右する不動産市場の動向です。ここ数年は、長期的な国内経済の低迷、そして世界的なインフレ傾向、さらに新型コロナウイルスの影響もあり、不動産市場は大きな変化が続いています。

そこで今回は、2023年の不動産市場の動向予測とともに、不動産売却相場の調べ方についてもご案内。年間600件以上の不動産取引を取り扱っている越後ホームズが、気になる不動産売却市場の最新情報をお届けします。

2023年不動産市場で注目するべき3つのポイント

新型コロナウイルス(COVID-19)の流行に始まり、ウクライナ侵攻や世界的なインフレなど、経済情勢を揺るがす、油断できない事態が立て続けに起こっている昨今。もちろん、その影響は日本の不動産市場にも変化をもたらしています。ここからは、不動産価格に関わる3つのポイントを解説していきます。

深刻な少子高齢化による世帯数減少と売却増加

1995年以降、日本国内の人口推移を統計している国立社会保障・人口問題研究所の「日本の世帯数の将来推計(全国推計)の概要」によると、総人口は2007年の1億2,778万人をピークに減少に転じ、一般世帯総数のピークは2014年の4,929万世帯で、総人口より7年遅れて減少に転じました。

そのタイムラグの背景として考えられるのは、単身世帯の増加。政府が行う国勢調査では、関東圏では20代の単身世帯が多い一方で、地方ほど70歳以上の高齢者の単身世帯が多いという結果も出ています。

今後は、深刻さが増す少子高齢化の進行によって、世帯数の大きな減少が考えられます。都市部への人口集中や空き家問題も重なり、2023年以降は不動産売却を検討される方がますます増えていくと予想されます。

ビジネスオフィスの空室率増加

2023年は東京都内を中心に複数のエリアでオフィスビルの再開発プロジェクトが動き出しています。しかし、コロナ禍で浸透したリモートワークやテレワークの影響で、オフィスを手放す企業が増加。オフィスに出勤するスタイルから、必要に応じて出勤とテレワークを選べるスタイルが一般的になり、規模が小さなオフィスに移転する企業も増えています。これにより需要と供給のミスマッチが拡大し、ビジネスオフィスの空室率が高まると予想されています。

低金利政策による住宅ローンの金利上昇

2022年12月末、日本銀行の金融緩和政策の縮小が大きく報じられ、日本中に衝撃が走りました。これまで0.25%程度に制限していた長期金利の上限を、0.5%程度まで引き上げるというものです。これは「事実上の利上げ」という見解も多く、将来的に住宅ローンを巡る情勢が大きく変わると予想されます。

現状、不動産市場に大きな影響はありませんが、金融機関の方向性が今後変わるかもしれません。ちなみに、10年国債の利回りが上昇したことにより、すでに固定金利は影響を受けはじめています。金利の動きも注視していく必要がありそうです。

2023年 不動産売却相場とその調べ方

続いて、実際に不動産売却を検討している方に向けて、不動産売却相場とその調べ方について解説します。

2023年の不動産売却相場は上昇傾向

2023年2月に公表された国土交通省「不動産価格指数(2022年11月分)」を見てみると、マンションが大きく数値を伸ばしていて、需要が高まっていることがわかります。戸建てや住宅地もほぼ横ばいながら、2020年以降、上昇傾向が続いています。

これには、日本銀行による低金利政策に加え、円安によって海外投資家が日本の不動産を購入する傾向が高まっていることも影響しています。

住宅地の公示地価は、東京・大阪・名古屋の3エリアで2年ぶりに上昇。地方四市(札幌・仙台・広島・福岡)の平均変動率でも9年連続の上昇となり、さらに上昇率も拡大傾向にあります。下落となった他エリアでも、下降率は過去10年と比べると大幅に縮小。公示地価の変動率から見ると、2023年も不動産価格は全国的に上昇傾向といえるでしょう。

不動産売却相場の調べ方

不動産売却の準備期間に必ずチェックしたいのがお持ちの不動産の相場です。売却時には不動産会社に査定を依頼するのが一般的ですが、自身である程度の相場を把握しておくことで、不動産売却を円滑に進めることができます。適正な売却価格を決めるためにも、あらかじめ自分で調べておきましょう。

不動産売却相場を調べるのに最も簡単なのは、物件情報サイトでお持ちの不動産と似た条件の物件を比較する方法。エリア指定で物件情報の一覧を見ることもできるので、「最寄り駅、最寄り駅からの距離、広さ、築年数、間取り」といった条件を見比べてみましょう。似たような条件の物件がどのくらいの価格で売り出されているかを知ることで、相場を把握することにつながります。ただし、物件情報サイトに掲載されている情報はあくまでも売却希望価格で、成約価格とは異なるのでご注意ください。

詳しい相場の調べ方については、Vol.7 「不動産を売却する際の相場の調べ方を教えてください」でもご案内しています。「売却は初めて」という方でも難しくありませんので、ぜひ参考にしてください。

2023年不動産市場 今後の見通し

依然として厳しい経済情勢が続く中、不動産売買を予定されている方はどんな点に注意したらいいのでしょうか。2023年の不動産市場全体の傾向から分析した注目ポイントをご紹介します。

【不動産購入】価格や金利の上昇に注意しながら早めの決断を

世界的なインフレ傾向やウッドショックなど、建築資材の価格高騰が進んでいます。今後も世界的な木材不足が続くと予想されていて、新築住宅を中心に価格の上昇が続きそうです。金利の上昇も予想されていますから、住宅の購入は早めに決断しましょう。

また、将来的に住宅購入を検討されているという方は、数年単位で様子を見てみるのも一つの手段です。長い目で見れば、需要の低下や金利上昇による不動産購買意欲の低下といった傾向が強まり、不動産価格が下落に転じる可能性もあります。

いずれの場合もタイミングを見計らうのは難しいので、希望をまとめた上で不動産会社のプロに相談してみるのがよいでしょう。

【不動産売却】今が売り時、タイミングを見極めて

不動産売却を考えている方は、少しでも不動産の価値を上げるために、タイミングを見極めることが重要です。不動産価格は、その時々の経済状況が少し遅れて影響します。特に、住宅ローン金利の動向は市場に影響しますので注意しましょう。

繰り返しになりますが、2013年から導入された日本銀行による異次元緩和政策の影響で住宅ローンの金利が下がり、ここ数年は全国的に不動産価格が大きく上昇してきました。しかし、2023年以降は金利の上昇が予想されています。新潟県内では、人口減少や農地の宅地化が重なり、新潟市の一部エリアを除き、基準地価の下落が続いている状況です。

金利が1%上昇すると、不動産価格は15〜20%下落するといわれています。土地価格相場が下落し続けている今、不動産売却を検討している方にとっては「今が売りどき」。さらに価格が下がる前に、できるだけ高値で売却する方が得策といえるでしょう。

新潟県内の不動産価格相場は?ダントツ人気は新潟市

それでは、新潟県の公示地価は全国と比べてどのような結果となっているのかを見ていきましょう。

国土交通省・国土数値情報が発表した2023年土地価格相場によると、47都道府県中、新潟県は34位。平均4万4,425円/。坪単価では平均14万6,862円/坪。変動率は-0.68%の下落となっています。

新潟県の市町村地価ランキング

順位

市区町村

地価平均

坪単価平均

変動率

1位

新潟市

7万0082円/㎡

23万1,677円/坪

+0.73%

 

>新潟市中央区

13万9,600円/㎡

46万1,487円/坪

+1.73%

 

>新潟市西区

6万0614円/㎡

20万0379円/坪

+0.30%

 

>新潟市東区

6万0227円/㎡

19万9,098円/坪

+1.06%

 

>新潟市江南区

3万9,306円/㎡

12万9,939円/坪

+1.51%

 

>新潟市南区

2万9,000円/㎡

9万5,867円/坪

-0.28%

 

>新潟市北区

2万8,469円/㎡

9万4,113円/坪

+0.73%

 

>新潟市秋葉区

2万7,182円/㎡

8万9859円/坪

-0.36%

 

>新潟市西蒲区

2万6,311円/㎡

8万6,978円/坪

-1.85%

2位

長岡市

4万5,725円/㎡

15万1,159円/坪

-0.95%

3位

燕市

3万8708円/㎡

12万7,961円/坪

-1.05%

4位

柏崎市

3万5557円/㎡

11万7,544円/坪

-2.28%

5位

三条市

3万5,022円/㎡

11万5,775円/坪

-1.82%

6位

小千谷市

3万4,900円/㎡

11万5,371円/坪

-2.70%

7位

糸魚川市

3万4,427円/㎡

11万3,809円/坪

-2.58%

8位

加茂市

3万2,660円/㎡

10万7,966円/坪

-1.44%

9位

見附市

2万8,777円/㎡

9万5,133円/坪

-1.07%

10位

湯沢町

2万8,333円/㎡

9万3,663円/坪

-1.16%

出典:土地代データ 

新潟市中央区を筆頭に、西区、東区、そして長岡市も、県の公示地価を上回る地価平均価格となっています。高価格ランキングでは、新潟市中央区の新潟駅前から万代、古町エリアがトップ10を独占する形となり、都市部に人気が集中していることがわかります。こうした傾向は、今後も変わらず続いていくでしょう。

新潟で不動産売却を考えるなら越後ホームズに相談を

今回は2023年不動産市場の動向と、売却相場についてご紹介しました。不動産をより高値で売るためにも、市場の動向や相場を確認することはとても大切です。経済動向にも目を配ることで、不動産の売り時・買い時が見えてくるので、ぜひ参考にしてみてください。

不動産売却は一生に一度あるかないかという大きな決断です。土地の活用方法に悩んでいる方や不動産売却を検討している方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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