不動産売却相談室

Vol.3 「不動産売却にどれくらい
費用が掛かるか分かりません!」

Vol.3 不動産売却にどれくらい費用が掛かるか分かりません!

不動産売却の際、意外と大きな出費になるのが「手数料と税金」です。事前に把握しておかなければ売却後に損をしてしまうことにもなりかねません。不動産売却で後悔しないために、お持ちの不動産を売るとどのくらいの費用が必要となるのか確認しておきましょう。

今回は、不動産売却時にかかる手数料や税金など、費用についてお答えします。

〈こんなお悩みの方にオススメの記事です〉

・なるべく費用を抑えて不動産売却をしたい方

・不動産売却の手続きをスムーズに進めたい方

まずは不動産売却に掛かる
仲介手数料の相場を把握しましょう

Vol.3 不動産売却にどれくらい費用が掛かるか分かりません!

売却を依頼する不動産会社には、報酬として仲介手数料を支払う必要があります。仲介手数料の金額については、宅地建物取引業法で以下のように上限が定められています。

 

◆仲介手数料の上限額
売買価格が200万円以下/報酬額は取引額の5%以内
売買価格が200万円超~400万円以下/報酬額は取引額の4%以内
売買価格が400万円超/報酬額は取引額の3%以内
※売買価格には消費税は含まれません。また、報酬額には別途消費税が掛かります。

売買価格

報酬額

200万円以下の部分

取引額の5%以内

200万円超400万円以下の部分

取引額の4%以内

400万円超の部分

取引額の3%以内

売買価格が400万円を超える場合は、上記をまとめて以下の計算式で求めます。
仲介手数料=(売買価格×3%+6万円)+消費税
※消費税10%の場合

例えば、売買価格が3000万円の場合。
仲介手数料=3000万円×3.3%+6万6000円=105万6000円
この計算式を使うことで、不動産会社への仲介手数料はどのくらいか、事前に把握することができます。

売却が成立したときの成功報酬として支払われる仲介手数料ですが、実際には売買契約時に半額を支払い、引き渡し時に残りの半額を支払うのが一般的です。支払いのタイミングは事前に確認しておきましょう。

 

不動産売却の利益に掛かる
3つの税金とは?

まず、土地や建物の売却には3種類の税金が掛かります。

①印紙税
②所得税
③住民税

売買契約時に「印紙税」を、売却後に確定申告をすると同時に「譲渡所得」を支払うことになります。譲渡所得は所得税と住民税が課税されます。売却後の年度末に確定申告をすることにより、「所得税」と「住民税」が市区町村によって自動的に計算され、6月以降に課税されます。では、それぞれの税金について、詳しく見ていきましょう。

①印紙税

不動産売買契約書には、契約金額に応じた収入印紙が必要となります。印紙税は契約書1通につき課税となり、売主が1通保管することを考え、通常2通分の印紙代がかかります。売主と買主、それぞれが印紙代を負担するのが一般的です。

売却価格が500万円〜1億円ほどの土地や建物であれば、5000円〜3万円の印紙税が掛かると覚えておきましょう。

また、税率は変動する場合があるので、最新情報は国税庁webサイトからご確認ください。

【国税庁webサイト】
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/inshi/08/10.htm

②・③譲渡所得(所得税と住民税)

家や土地など、お持ちの不動産を売却して得た利益(譲渡所得)には「所得税」と「住民税」が掛かります。

譲渡所得は、売却代金から売却にかかる経費(譲渡費用)と不動産の購入にかかった費用(取得費)とを差し引いて計算されます。

◆譲渡所得の計算式
譲渡所得=売却価格ー譲渡費用ー取得費
「譲渡費用」とは、不動産売却にかかった経費を指します。

◆譲渡費用の一例
・不動産売却時の仲介手数料や税金(売主が負担したもの)
・建物の取り壊し費用、測量費 など
それに対し、「取得費」は不動産の購入時に掛かった費用のことで、購入代金や購入手数料、購入後に掛かった設備費と改良費等を加えた合計金額を指します。

◆取得費の一例
・不動産の購入代金
・購入時に支払った仲介手数料や税金
・増改築費用 など

「譲渡所得税」と「住民税」は、売却によって利益が出た場合にのみ支払う税金です。売却価格が購入価格よりも安いなど、売却して損をした場合、払う必要はありません。

譲渡所得税は所有期間によって金額が変動

譲渡所得にかかる税率は、物件の所有期間が5年を超えているかどうかで変動します。

所有期間5年以下の土地・建物であれば、「短期譲渡所得」となり、税率は39.63%(所得税30.63% 、住民税9%)です。

所有期間が5年を超える土地・建物の場合は、「長期譲渡所得」となり、20.315%(所得税 15.315% 、住民税 5%)と軽減されます。

※2013年から2037年までは復興特別所得税として所得税額の2.1%が加算されます

例えば、売却価格が3000万円、取得費が2400万円、譲渡費用が200万円とすると、譲渡所得は「3000万円−2400万円−200万円」400万円。この譲渡所得にかかる所得税と住民税は、所有期間により以下の金額になります。

◆所有期間5年以下
400万円×39.63%=158万5200円(所得税122万5200円+住民税36万円)

◆所有期間5年超
400万円×20.315%=81万2600円(所得税61万2600円+住民税20万円)

所有期間が10年以上の場合、「3000万円の特例控除」の特例と併用して「軽減税率の特例」を適用することが可能となります。譲渡所得のうち、6000万円以下の部分については通常20%(長期譲渡所得)の税率が14%になるため、節税につながるでしょう。

このように、不動産を売却した場合に得られる譲渡所得は、要件に応じて特例控除を受けられる場合があります。どれも1,000万円から5000万円という高額な控除ですから、適用されるかどうか必ずご確認ください。

不動産売却でかかる税金には確定申告が必要

不動産売却における譲渡所得税と住民税は、他の所得と区分して税金が課される「分離課税」です。分離課税となる不動産の譲渡による損益は、他の所得と通算(相殺)することはできません。

給与所得者の場合でも、不動産の譲渡により売却益が出て税金が発生した場合、会社の年末調整とは別に確定申告をする必要があります。不動産を売却した翌年の2月16日から3月15日までに、必ず済ませましょう。

おわりに

不動産売却時に掛かる手数料、税金についてご説明しました。不動産売却は、売却金額がそのまま手元に残るわけではなく、差し引かれる金額もたくさんあります。ご紹介した手数料、税金のほか、売却する不動産の状況によっては、ハウスクリーニング費用、測量費用、解体費用なども追加されます。売却をお考えの際はどのくらい費用が必要となるのか、おおまかにでも把握しておくことが大切です。

また、税制は複雑である上に、常に改定されています。今回ご紹介した以外にも特例があるほか、相続や法人が関係してくると追加される条件もさらに増える場合があるので、ご不明な点はお気軽に越後ホームズまでご相談ください。

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