不動産売却相談室
Vol.7 「不動産を売却する際の
相場の調べ方を教えてください」
不動産売却を検討している方は、「査定前に自分で相場を調べるべき」という情報を耳にしたことがあるのではないでしょうか。
これにはいくつかの理由があるのですが、不動産取引の経験がない場合にはイメージが湧きづらいため「プロである不動産会社に、すぐに査定を依頼する方が早いのでは？」と疑問に感じる方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、不動産の相場を自分で調べることで得られるメリットや知識や経験のない方でも実践できる相場の調べ方について解説していきます。
納得のいく不動産売却を行うための参考として、役立てていただけたら幸いです。
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〈こんなお悩みの方にオススメの記事です〉 ・不動産の売却を検討している方 ・不動産会社に提示された査定額に納得していない方 ・所有している不動産の価値を知りたい方 |
不動産の相場を自分で調べることで得られるメリットとは？
家やマンション、土地の売却を検討している場合、不動産会社に査定を依頼することが売却活動をスタートする第一歩となります。
この前の準備段階として、押さえておきたいステップが自身で相場を調べておくこと。日々忙しい生活の中で慣れない情報収集をするのは、面倒だと感じる方も少なくないでしょう。それでも、不動産売却を有利に進められるためには、欠かせないステップになっています。
あらかじめ相場を調べることで得られるメリットは次の3つです。
- 売却活動を主導的に進められる
- 取引の傾向を調べることで対策ができる
- どのくらいの利益が残るか概算を把握できる
各項目について、解説していきます。
メリット1：売却活動を主導的に進められる
不動産を売却する際には、不動産会社に査定を依頼します。
査定には、築年数・エリア・広さといったデータをもとに査定する「机上査定」と、実際に現地に足を運んで物件をチェックし、より正確な査定額を算出する「訪問査定」の2種類があります。よくWebサイトで見かける一括査定は基本的に机上査定のこと。机上査定を依頼した不動産会社の中から、話を聞いてみたいと感じた2〜3社に訪問査定を依頼し、その中から1社を選んで契約を結ぶ流れが一般的です。
言うまでもありませんが、売却活動を成功させるためにはパートナーとなる不動産会社選びが重要です。選ぶ際の判断材料となるのが、各不動産会社から提案される査定額。事前に相場を調べておけば、評価額が相場よりも高すぎる／安すぎる場合に理由の説明を求めることができるのです。この時に、査定額の根拠を示してくれる会社であれば信頼できるでしょう。対応する担当者の知識や経験、対応力を見極めるポイントにもなります。
なかには、契約を結ぶことだけを目的に、物件に合っていない高値の査定額を提案されることもあります。しかし、不動産は相場前後の価格で取引が行われるのが一般的。「高い査定額を提案してくれたから契約したけど、いつまでも売れない…」「売れ残った結果、想像よりも安値で手放すことになってしまった…」と後悔されるケースも見られます。
相場をあらかじめ調べておくことでこうした失敗を防ぐことができるので、売却活動の主導権を握るためにも事前の相場調査は効果的といえます。
メリット2：取引の傾向を調べることで対策ができる
不動産の取引には、建物や土地自体の価値だけではなく、社会情勢やシーズン、周辺の環境も影響します。需要が高まるときには比較的高値でも売却が可能ですが、景気が悪い時には需要が下がり、取引価格も低下する傾向があるのです。
そのため、生活施設や幹線道路などが新設され、周辺エリアの人気が高まると、不動産の市場価格の上昇が期待できます。こうした動きが生まれそうな場合かつ売却を急がないという方は、様子を伺うのも一つの手でしょう。ただし、慎重になりすぎて売り時を逃さないよう、注意は必要です。
また、相場を調べる中で、近隣の競合物件について知ることもできます。競合物件の特徴を踏まえることで、売却する不動産のアピールポイントを効果的に訴求することができるでしょう。購入希望者の中には、エリアを条件に物件を探す人も少なくありません。エリア内の競合を把握することで、成果につながるプロモーション戦略を練ることが可能になります。
メリット3：どのくらいの利益が残るか概算を把握できる
立地や間取り、築年数などを考えると、全く同じ不動産というのは存在しません。そのため、相場調査や査定評価額で得られる情報はあくまで目安になりますが、おおよその売却額を把握することができます。
売却活動にあたっては、仲介手数料や印紙税、譲渡所得にかかる所得税など必要経費もあります。しかし、あらかじめ相場を調べておくことで「出費の方がかさんでしまった…」という失敗は防ぐことができるでしょう。
また、新しい物件の購入や賃貸物件への引っ越しを検討している場合には、売却後の懐事情をイメージする手がかりになるのではないでしょうか。
不動産売買にかかる費用については、Vol.3 「不動産売却にどれくらい費用が掛かるか分かりません！」で詳しく説明しているのでご覧ください。
不動産の相場を調べる方法を解説します
不動産の相場を調べるメリットをお伝えしたところで、どなたでも実践できる相場の調べ方について解説していきます。ご紹介する方法のすべてを網羅する必要はありませんので、できる範囲で情報収集をしていきましょう。
不動産の相場を調べる際には、下記3つの指標を意識することが大切です。
- 築年数や面積が類似している物件の売却額
- 都道府県・市町村による傾向
- 周辺地域の類似物件の売却額
どれも相場を調査する上では必要な視点です。なかでも「3.周辺地域の類似物件の売却額」にはリアルなニーズが反映されていることが多いので、売り出し価格を決める上でも重要な指標となります。そのため、パートナーとなる不動産会社を選ぶときには、地域の事情に精通した地域密着型の企業を選ぶと安心です。
相場の調べ方1：折り込みチラシ・ポータルサイトで売り出し価格を確認
こちらは、最も簡単に周辺エリアの不動産情報を集められる方法。どんな不動産がどのくらいの価格で売り出されているのかを知ることができます。
折り込みチラシやポータルサイトには、築年数や間取り、売り出し価格といった基本情報が記載されているほか、内観・外観の写真が掲載されています。生活環境が同じ周辺エリアに類似した物件があれば、価格のイメージがつきやすいのではないでしょうか。
ただし、チラシやポータルサイトに掲載されている値段はあくまで売主が設定した売却希望価格。取引の中で値段交渉が行われることを前提に、やや高めに設定されていることが多いので注意が必要です。
時間がある時に目を通すことを意識するだけでも参考になるでしょう。
相場の調べ方2：レインズで過去の取引事例を検索する
国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営しているコンピューターネットワークシステム「レインズ」。こちらは、不動産業界全体が連携してデータを共有するためのシステムで、一般の方でも蓄積された過去1年分の取引データを見ることができます。
たとえば、「戸建」「新潟市東区」「築15年〜20年」「1年以内に成約」などの条件を設定すれば、膨大なデータの中から知りたい情報だけを抽出できます。こちらに登録されているのは最終的な成約価格なので、より現実的な相場といえるでしょう。
売却したい不動産と類似した条件の物件が、どれくらいの価格で取引されているか確認してみてください。
相場の調べ方3：土地総合情報システムで検索する
引用元：土地総合情報システム
こちらは、国土交通省が提供する「土地総合情報システム」。不動産の取引価格、地価公示・都道府県地価調査の価格を検索して、閲覧することができます。
「不動産取引価格情報検索」のページに進み、①取引時期 ②不動産の種類 ③地域（住所もしくは路線・駅名）の3項目を設定すると、該当する取引情報が出てきます。レインズのように物件情報を比較したグラフは出てきませんが、土地の形や周辺の道路幅までより詳細なデータを得られます。
相場を調べる時の注意点
繰り返しになりますが、全く同じ不動産は存在しないので、上記の方法で調べられる相場はあくまで目安。不動産の市場価値は、築年数や立地、広さ以外にも複合的な要素が絡み合って算出されるので、具体的な売り出し価格や売却額は信頼できる不動産会社と話し合って決めましょう。
その信頼できる不動産会社を見極める手段や話し合いの手がかりとなるのが、ご自身で調べる不動産の相場となります。大切な不動産を納得のいく価格で売却するため、さまざまな方法で相場を調べて現実的な価格をイメージしておきましょう。
おわりに
今回は、不動産売却の準備として欠かせない「相場の調べ方」についてお答えしました。
不動産会社が行う査定の前にあらかじめ相場を把握しておくことで、売却活動を有利に進めることができます。上記でお届けした方法は不動産取引になじみのない方でも実践できるものばかりなので、売却を成功させるために情報収集してみてはいかがでしょうか。
越後ホームズでは、豊富な実績と知識をもとに新潟市を中心とした新潟県内全域の不動産を取り扱っています。新潟エリアに特化した不動産のスペシャリストの視点から、お客様のお悩みを解決に導きます。
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